いまやカービングターンが主流になっているスキーですが,歴史はとても古く伝統的なスポーツです。「歴史」と聞くと,なんだか勉強のような印象を受けるかもしれませんが,どのような経緯でスキーのスタイルが形成されたかを知ることは,現在のスキーを理解するうえで必須の知識になってきます。
さらに,指導員の取得を目指す皆さんであれば理論の勉強もしなくてはなりません。そこで,スキー教程を参考にしながらスキーの歴史をまとめていきたいと思います。本記事はPart1(スキーの始まり)になります。全体のまとめは,以下の記事をご覧ください。

教程を参考にしながらスキーの起源についてまとめていきます!
北欧でのスキーの起源
スキーの発祥は歴史が古く,積雪地域の移動手段や狩猟のために利用されていました。ノブウェー北部のレイデイでは,1929年にスキーを履いている人物の彫刻が見つかっています。紀元前2500年のものだと推定されています。
(画像出典:http://skis-hijikata.o.oo7.jp)
スキーの概念は,古くは北欧の地で伝説や神話として語り継がれていました。特に有名なのは,ウル(Ullr)とスカディ(Skadi)です。
(ウル,出典:SÁM 66)
(スカディ,出典:Signed “H. L. M.”)
ウルはスキーの神様で,弓矢の名手でもあります。今日では,ウルにちなんだ地名がノルウェーやスウェーデンに80か所もあるといいます。スカディは,スキーを履いて狩りをする女神です。こちらも,「スカンディナビア半島」の名前の由来となっています。
他にも,朝鮮半島や山岳地域で「ソルメ(雪馬)」と呼ばれる歩行補助用具もスキーの原型と考えられます。
日本でのスキー起源
日本におけるスキーの起源としては,1784年に曾江真澄によって描かれた「立ちソリ」が挙げられます。他にも,1808年に間宮林蔵が「北蝦夷図説」でスキーを記述しています。樺太でアイヌが冬の間の歩行に使っていたストーという用具です。
(ストーを履く樺太原住民,出典:[[1]])
まとめ
Part2「近代スキーの発展」では,スキーがいかにしてスポーツとして発展していくかをお伝えします。
[1]中浦皓至. “日本スキーの発祥前史についての文献的研究.” 北海道大学大学院教育学研究科紀要 84 (2001): 85-106.
[2]鈴木正. “スキー発達についての研究.” 一橋大学研究年報. 自然科学研究 9 (1967): 31-66.
[3]”日本スキー教程.” 山と渓谷社(2018)