かつての昔から多くの議論がなされてきたスキー指導法ですが,今日では日本スキー教程がスキー指導の展開を発表しています.日本スキー教程によると,スキーのターン性能・スキーヤーの運動特性・自然/斜面/地形の特性・アルペンスキー競技規則等を考慮・実践していく指導法だとされています.
そこで,この記事では日本スキー教程[[1]]の指導法を簡単にまとめていきたいと思います.
日本スキー教程による基礎パラレルターンについてまとめていきます.
基礎パラレルターンへの指導の展開

初歩動作(コチラのページ参照)の習得を終えた学習者は,「滑走プルーク」「横滑りの展開」「シュテム動作」の3通りの指導法を用いて,斜面を安全に板をそろえて滑り降りる基礎パラレルターンの習得を目指します.
3種類の指導法について,メリットとデメリットをまとめておきます.

これらの比較を通して,最適な指導法を選びながら基礎パラレルターンの完成を目指していきます.
滑走プルーク
滑走プルークから基礎パラレルターンを導入する目的は,以下の通りです.
ターン前半の外スキーカービング
外スキー舵取り
内スキー舵取り
ストックワーク
プル―クボーゲンと滑走プルークの違いは,両スキーのエッジングです.プル―クボーゲンは左右対称な動きでした.対して,滑走プルークは外側のエッジングを強めた結果,骨盤の位置が内スキーの上にのります。

横滑りの展開
横滑りから基礎パラレルターンを導入する目的は,以下の通りです.
パラレルスタンス
両脚同調
スキーの方向付けと回旋
小回りの導入
ストックワーク

直滑降からの横滑りでは,フォールラインにブーツをそろえるようにします.必要に応じて,進行方向を斜めに変えるとよいでしょう.斜めにすればするほど,スキーを回しこむ角度が小さくなるので,簡単に横滑りを行うことができます.
シュテムターン
シュテムターンから基礎パラレルターンを導入する目的は,以下の通りです.特に,シュテム動作は内傾のコントロールを練習できる点が特徴的です.
ターン前半の両スキーカービング
急斜面への対応
内傾のコントロール
ストックワーク
内傾動作は,ターン中に働く力と釣り合うようになされる動きです.実際は,ターン中も必要な内傾角は変わっていきますので,上級者へのステップアップには「動的内傾促進」を習得することが必要不可欠です.
まとめ
[1]”日本スキー教程.” 山と渓谷社(2018)